| TOPへ

RUNNET TRAIL

トレラン・レースリポート

  • 第11回SUBARU多摩川源流トレイルラン

開催日:2019年9月8日 (日)
開催地:山梨県(小菅村)
種目:【25km】 出走者:754人/完走者:685人/完走率:90.8%

多摩川の源流を育む巨樹の森。「山」と「水」を楽しめるレース!

リポート/中野沙知さん

この大会の舞台は奥多摩湖に隣接した山梨県小菅村。多摩川水源を育む、広葉樹や巨樹の森や高原、ワサビ田地帯を楽しめるレースです。6年前私がトレイルランを始めた頃から出場していたKFC東京トレイルランシリーズのひとつでもあり、今回は優勝を目指しての3度目の出場となりました。


受付ではアットホームな雰囲気でスタッフが迎えてくれる
受付ではアットホームな雰囲気でスタッフが迎えてくれる
「小菅の湯」そばの林道でスタートを待つ選手たち
「小菅の湯」そばの林道でスタートを待つ選手たち

中野さんの準備・装備
装備は、脱水対策として経口補水パウダーと塩サプリ、必携の手袋とジェル4つです。水は500ml必携でしたが、当日の猛暑を考慮して1L持参。準備としては、フルマラソンシーズン後の4月からはショートからロングまで様々な距離のトレイルレースに参加。レース以外にも月に1〜2回のペースで山へ行き、山慣れをしていきました。多摩川源流は頑張れば走れる上りが多いので、上りをゆっくりでも走れるよう意識して練習。その他ショートレンジ対策として平地でインターバルも行い、心拍数を上げて追い込みました。


種目は25kmのみ。一斉にスタート!!
種目は25kmのみ。一斉にスタート!!

当日は余裕をもって朝7時過ぎには会場入り。年々早めの行動の方が多くなっている印象です。当日も例年に増しての猛暑でしたが、大型テントも設置され、日除け対策もしっかりされていました。

今回のコースは、鶴寝山(標高1368m)と奈良倉山(標高1349m)の大きく2つの山登りと、それらを下った後の2kmほどのロードの上り返し、そしてラスト1kmに待つ滝を横目にしながらのトレイルの上りがあります。この最後のトレイルは、余力がないとツラいです!


スタートから続く上り坂は淡々と攻める

スタートから鶴寝山までは、スタートダッシュをする人が多いのですが、あまり力を使い切ると後半に苦しみます。私は息がゼイゼイしない程度、かつ上位を視野に入れながら走りました。

ダッシュを焦らずにペースを保って前進
ダッシュを焦らずにペースを保って前進
急登ゾーンもあり!
急登ゾーンもあり!

ブナやミズナラの広葉樹の広がるトレイルを堪能した後は、鶴峠までの長い下りです。この下りは、木の根や岩場といったテクニカルな要素は少ないのですが、結構急なので、走り方を工夫しないとブレーキがかかり、太股に負担がきます。

長い下りはスピードの太股への負担を配慮しながら
長い下りはスピードの太股への負担を配慮しながら

清流・小菅川沿いには楽しい木道も!

鶴峠まで下ると、ちょうど約10km地点。ここから多少走りやすく、約2km続く長い上りの林道です。力を貯めておけばグイグイ上れて、タイムを稼げるところ。私はひとつ目の山や下りで脚を使ってしまったため、ここで一気に差を詰められ、2位になってしまいました。

「源流」を感じながら走れる小菅川沿いのコース
「源流」を感じながら走れる小菅川沿いのコース
せせらぎを聞きながら木道を渡る
せせらぎを聞きながら木道を渡る

奈良倉山を越え、再度小菅川まで下った後は、最後のロードです。そこに向かうまでに通過した第3エイド(20km地点)では、水や塩タブレットに加えてブドウが振る舞われており、とても美味しかったです!

温かな笑顔と甘酸っぱいブドウでリフレッシュ
温かな笑顔と甘酸っぱいブドウでリフレッシュ
フィニッシュまで、あと少し!
フィニッシュまで、あと少し!

ここで私は前半のツケがまわり、ラストは大失速。ひとり抜かれて3位でフィニッシュしました。このレースは、暑さも踏まえ、前半でいかに適度に抑え、後半の上りと下り、最後まで走れるかがポイントになることを痛感しました。

ショートレンジで一見初心者にも優しく思えますが、(1)十分な塩分と水分をもって脱水対策をする。(2)前半は抑えめのペース配分を心がける。(3)下りで脚に余計な負担をかけない走り方をする。この3つがこのレースの攻略ポイントかと思います。

笑顔と拍手に迎えられてフィニッシュ!
笑顔と拍手に迎えられてフィニッシュ!

参加者は終わった後にすぐに「小菅の湯」でさっぱりできます。広葉樹に囲まれたふかふかトレイルとブドウのおもてなし、最後にある滝の景色と、さすがは源流!のおいしい水が楽しめるこのレース。私も来年、4度目の再チャレンジをしたいと思います!

わさび農園見学&ヤマメ釣りやエコのイベント、と応援者が楽しめる工夫もいっぱい
わさび農園見学&ヤマメ釣りやエコのイベント、と応援者が楽しめる工夫もいっぱい
スタート前の集合写真!
スタート前の集合写真!


リポート/中野沙知さん
  • リポート/中野沙知さん

東京都在住、32歳。会社員。高校、大学と陸上競技部の長距離選手。卒業後、ロードのマラソンへ出場するようになり、2013年よりトレイルランを開始。2017年度KFCシリーズ年間チャンピオン、2017-2019青梅高水山トレイルラン三連覇、2018年ハセツネカップ年代別2位(女子総合11位)、Fun Trail Round飯能トレイルランレース2019女子総合1位。今年の目標はハセツネ10位以内、FTR100kmの3位以内入賞。ゆくゆくはハセツネで6位以内に入賞、3度目のUTMFで30時間を切り、20位以内に入るのが目標!



一覧に戻る