本サイトではより多くの方に快適に利用して頂ける様に、アクセシビリティ面を充分に考慮したコンテンツの提供を心がけております。その一環として、閲覧対象コンテンツのすべてにスタイルシートを使用して制作しております。現在閲覧に使用されているブラウザには、当方制作のスタイルシートが適用されておりませんので表示結果が異なりますが、情報そのものをご利用するにあたっては問題はございません。

RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • ひろしま恐羅漢トレイル安芸太田

開催日:2016年5月29日
開催地:広島県安芸太田町 恐羅漢山周辺山岳エリア
距離・完走者/出走者
【エキスパート(約64km)】57人完走/428人出走 完走率13.3%
【ミドル(約27km)】 270人完走/281人出走  完走率96.0%

累積高低差4,100m、中国地方最長のロングレースが誕生!

リポート/ 荒二井 秀治さん

広島県と島根県の県境にある、両県最高峰の恐羅漢山(おそらかんざん:標高1346.4m)周辺の山々を巡る「ひろしま恐羅漢トレイル in 安芸太田」のエキスパートコース(64km)に出場しました(ほかにミドルコース 27kmもあります)。

今回は記念すべき第1回大会で、中国地方では初めてとなる64kmのロングトレイル大会という話題性もあり、ミドルコースも含めて、850人以上のランナーの応募がありました。

エキスパートコースは、この大会の特徴でもあるA・B・Cの3つのループに分かれており、Aから順に制限時間内に通過できれば、次のループにトライできるというシステム。3つのループともスタート&ゴールが同じなので、関門通過ごとに、「ここでやめようと思えばやめられる……」という誘惑との葛藤があります。

記念すべき第1回大会は、エキスパート、ミドル合わせて709人が出走
記念すべき第1回大会は、エキスパート、
ミドル合わせて709人が出走


晴れていれば美しい眺望が楽しめるコースでもある

晴れていれば美しい眺望が楽しめるコースでもある

新緑の美しさに思わずゆっくり歩いてしまうことも…

新緑の美しさに思わずゆっくり歩いてしまうことも…

トレイルや林道、後半は沢渡りなど変化に富んだAループ

スタート時刻は朝5時、天気予報は午前中には雨が降り始める予報でした。スタート時は曇りで辺りはまだ薄暗さが残っていました。最初のAループは27km。前半は走りやすいトレイルが続きます。その後、林道に入ったのですが、この間まわりのランナーと会話もでき、リラックスした状態で進みました。
最初のピークの高岳は見晴らしが良いと聞いていたのですが、残念ながら薄く霧が出ており、眺望を望むことはできませんでした。

視界の開けた所があれば鬱蒼と茂る林道、タフな激坂とバラエティに富むコース

視界の開けた所があれば鬱蒼と茂る林道、
タフな激坂とバラエティに富むコース

途中何度かか霧でまわりが見えなくなることも

途中何度かか霧でまわりが見えなくなることも


最初のエイド(16km地点)には、水、スポーツドリンク、コーラなどの飲み物、バナナなどの簡単な食べ物が用意されています。序盤でしたので水だけの補給を行い、ボランティアの方々の声援を背に早々に出発しました。
後半のトレイルは小川と併走するコース。所々、沢渡りを行う箇所やロープを使って下る区間も用意されており、バリエーションに富んだコースで飽きることなく走れました。

最初のエイドではしっかりと水分を摂って。コーラやバナナで糖質補給も

最初のエイドではしっかりと水分を摂って。コーラやバナナで糖質補給も

最初のエイドではしっかりと水分を摂って。コーラやバナナで糖質補給も


累積標高2,000mを超える最大の難コースBループ

次のBループ(27km)は、最高峰の恐羅漢山、十方山などがある累積標高2,000mを超える一番の難コース。まずは、恐羅漢山頂までの台所原(だいどころばら)を通るルート。
ブナの原生林が続くところですが、ペースが上がらず苦労した区間でした。その分、新緑で神秘的な台所原をゆっくり歩いて山頂を目指しました。

台所原を抜けると恐羅漢山頂へ到着。天気の良い日は眺望の良い場所ですが、周りは霧に覆われていました。この辺りから少し雨が降り始めました。
この後の恐羅漢山~旧羅漢山までの区間は、トレイル保護のための措置か大会側が定めた歩行区間となっていました。ここで私は持参した行動食をしっかり摂りました。

霧で幻想的な景色の中を走る
霧で幻想的な景色の中を走る


旧羅漢山頂を抜けると歩行区間も終わり。十方山から次のエイドまでの区間は、レース中一番長い下りのトレイルが続きます。そして、待望の那須エイドへ到着!本当に待ちわびたエイドです。
この那須エイド(45km地点)、小さな集落に設置されているのですが、高齢・過疎化が進んだ住人6名のいわゆる限界集落だそうです。 しかし、このエイドステーションに到着してみると、集落住人とボランティアの方々のとても賑やかなお出迎えに会いました。
このエイドでは、バナナ、お結び、おはぎや梅干と言った食べ物をしっかり頂きました。 そして、那須の方々へ感謝のお礼を伝え、内黒峠までの長い登りを早足で歩きました。
この辺りから体力もかなり回復してきていたので、雨でかなり滑りやすくなっていましたが、平坦な個所やゆるやかな下りはできるだけ走りました。

那須のエイドで応援してくださった地元の皆さん。温かい声援が嬉しい!

那須のエイドで応援してくださった地元の
皆さん。温かい声援が嬉しい!

こちらのエイドでは、フルーツやおはぎ、紅葉まんじゅうなども!

こちらのエイドでは、フルーツやおはぎ、
紅葉まんじゅうなども!

ラスボス砥石郷山が待ち受けるC ループ

何とかBループをクリアできたので、これはCループに行かせてもらうしかありません。
しかし、雨でトレイルはどんどん悪い状況になっていました。
砥石郷山は1kmで500m登る、まさに直登。 しかも雨でトレイルはズルズル。ロープが設置されている個所はまだ何とかなるのですが、ない場所は熊笹を手でつかんでやっと登れるほど。四つん這いになりながら泥んこ遊びを楽しませてもらいました。
最後は、強い雨が降りしきる中ゴール! 過酷な環境で無事にゴールできたことは正直嬉しかったです。
ゴール後には、豚汁と広島で有名なお好み焼き提供のサービスがあり、美味しくいただきました。

エキスパートの部は累積標高差4100mという激しいアップダウンとの戦い

エキスパートの部は累積標高差4100m
という激しいアップダウンとの戦い

身体中ドロドロになってゴール!

身体中ドロドロになってゴール!

悪天候によりCループ閉鎖! エキスパートの完走率は13.3

ゴールした後に聞いたのですが、私がCループに入った後に雨の影響でCループは閉鎖され、多くのランナーはBループでレースを終えたそうです。しかし、あの砥石郷山の状況を考えれば、大会側の判断は妥当だったと思います。

64km、累積標高4,100mのハードなコースですが、個人的にはバリエーションに富んだコースで楽しめました。長い距離の大会なので、コース整備された方も大変だったのではないかと思います。広島県と島根県の両県の最高峰となる恐羅漢山周辺の森深い山々を走らせてもらえたことに感謝です。

爽快にトレイルを走り抜けたいならミドルコースを選択されるのも良いかと思います。
今回は天気に恵まれず、完走率もロングコースは13.3%とかなり低かったですが、天気が良ければ最高の景色も望めるし、フカフカで走って楽しいトレイルですので、中国地方でも屈指の大会になり得ると思います。



荒二井 秀治さんさん

プロフィール
広島県広島市在住。自動車関係のエンジニア。
ランニング歴4年、トレイルランニング歴3年。
ダイエット目的で始めたランニングから徐々にのめり込み大会に出場するほどに。
主にウルトラマラソンやトレイルランニングの大会に出ています。週末は近くの山に行き、登山やトレイルランニングを楽しんでいます。