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RUNNET TRAIL コラム

トレラン・レースリポート

  • 北丹沢12時間山岳耐久レース

開催日: 2016年7月3日(日)
開催地: 相模原市緑区青根 青根緑の休暇村
距離: 44,24km
完走者/出走者: 970人完走/1,213人出走 完走率80.0%

登っても登っても頂上にたどり着かない! 暑さとタフなコースと格闘の44km

リポート/ 浅原 里美さん

北丹沢12時間山岳耐久レースに出場しました。
朝の時点の天気予報は晴れで気温は今年いちばん暑くなる予報。
私は3度目の「北丹」出場ですが、昨年は大雨のため、トレイルからロードのコースに変更したこともあり、本コースの記憶がはっきり蘇らないまま、とにかく熱中症にならないために2リットルの水分と補給食やサプリをザックに詰め込み、スタート!

混雑を緩和するため2ウエーブに分かれてスタート!
混雑を緩和するため2ウエーブに分かれてスタート!


長い林道の後は…本格的な上りが始まる! さあ、ここからが本番だ!

はじめの3kmくらいは、ロードの上り。ここは頑張って「トレイルコースに入るまでは絶対に歩かない」と心に誓い必死に走りました。しばらくすると細い登山口に入ります。
ここからは、ほぼ一列になってしまいます。
あたりの木々は枯れていて、折れた木の枝が跳ね返ったりします。早く行きたいのは山々なのですが大変危険。ランナーたちは一列を守ります。それでも何人かは横から割り込んできたりして、足を踏み外して転んだりする人もいました。

スタートから3kmの上りのロードは歩かず走る作戦
スタートから3kmの上りのロードは歩かず走る作戦


しばらく進むと林道に出ました。ここは走りやすい長い林道で、ロードが得意な人には有利なコース。さほど急な上りもなく、応援の人やキャンプ場の人の声援が賑やかで、元気をもらえました。
そして登山口から井口沢尾根コースへ。さあ、ここからが本番です! 
「鐘撞山」から「県境尾根分岐」へと登っても、登ってもなかなか頂上にたどり着かなくて、何度も心が折れそうになりました。

登山口からはひたすら登るコースが続く
登山口からはひたすら登るコースが続く


丹沢の山並みの美しさ! 第2関門では心身ともに限界が…

第1関門の「神の川ヒュッテ」のエイドでは水をたらふくもらい、「日陰沢源頭」まで登り降りすると間もなくまた林道になります。今度のコースはトンネルがあり、大きな石がゴロゴロした砂利道もあり、走れなくはないのですが、油断すると足首をひねりそう。標高が高いので、見通しの良い箇所では丹沢の山並みをきれいに見渡せるところが何箇所かありました。

見晴らしのよい所では丹沢の山々の美しさを楽しめる
見晴らしのよい所では丹沢の山々の美しさを楽しめる


第2関門「神の川園地」に入る手前のエイドでは、バナナや地元の方の手づくりのハチミツレモンが振舞われました。ボランティアの人もたくさんいて、頭に水をかけてくれ、励ましの声もたくさんもらい、元気をとり戻して、難関の「姫次風巻ノ頭」「袖平山」そして「姫次」へ向かいます。ここは本当にガマン大会。登っても、登っても頂上にたどり着きません。脚も限界、心も限界、意識もうろう…。
「今、私は天国に向かっているのか」なんて思えてくるほど。ここまで来ると、列も乱れて人との間もかなり開き、自分との戦いです。絶対に立ち止まらない、と言い聞かせて登り続けました。

木々が直射日光をさえぎってくれるものの、この時期の暑さは盛夏の暑さ以上に身に堪える

木々が直射日光をさえぎってくれるものの、
この時期の暑さは盛夏の暑さ以上に身に堪える

平坦な林道でも足元に気をつけて走るべし!

平坦な林道でも足元に気をつけて走るべし!

自分史上初、暑く、熱いトレイルコース

「姫次」の頂上にいるスタッフの声が聞こえてくると、嬉しい気持ちが高ぶってきました。思わずスタッフの方とハイタッチ!
「ヤッター!これで残りは9kmの下りだ!」
山頂とあってエイドは水のみ、しかもとても貴重なコップ1杯。しっかり味わって、いざ、ラストスパート!

下りが得意な私は、鼻歌まじりにどんどん降りました。事実、この区間ではかなりの人をゴボウ抜きしました。しかし、楽しい下りも束の間。「平丸分岐」で何人かの男性ランナーが、コースアウトしてしまったらしく、本コースに戻って来る姿を見かけました。確かに私もひとりだったらまっすぐ抜けてしまっていたかもしれません。たまたま、ほかのランナーがいたので、運が良かったのでしょう。

だんだんゴール地点からのアナウンスが、耳に入って来るようになりました。「もう少し!」
スタートのときも通ったブルーシートの塩プール(ヒル駆除のため)を飛び越え、ロードに出て北丹沢の垂れ幕の下をくぐり、カーブを曲ってゴール‼
一度も転ぶこともなく、ケガもなく無事完走。
自分史上初ぐらいの暑く、熱い、酷なトレイルレースでした。ゴール後はペットボトル飲料とうどんの提供サービスがあり、美味しくいただきました。
この大会に携わってくださった全ての方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

登っても登っても頂上が見えない 心が折れそうになることも…
登っても登っても頂上が見えない
心が折れそうになることも…

全般的にタフなコースだが、見晴らしのよい所など変化が楽しめる
全般的にタフなコースだが、見晴らしのよい所など
変化が楽しめる



浅原 里美さん

プロフィール
走歴5年、キックボクシングのトレーニングの一環としてランニングを始めたが、腕の骨折で選手生命を断たれ、その後ランニングを本格的に開始。
目標は、フルマラソンでは3時間15分切り。そしてウルトラマラソンでは野辺山10回完走。最終目標はUTMB=ウルトラトレイル・デュ・モンブランに出場すること。